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首都圏で保育士足りない…地方へ求人活動も(読売新聞)

 首都圏などで問題化している待機児童の解消に向け、自治体が保育所の整備を急ぐ中、各保育所が保育士の確保に四苦八苦している。

 就職戦線は氷河期再来とも言われるが、保育の世界では、東京の保育所が東北地方に求人に出向くほどの「売り手市場」。資格を持ちながら現場を離れている「潜在保育士」の発掘に乗り出す動きもある。

 ◆仙台から上京◆

 0~5歳の100人が通う東京都足立区の「扇こころ保育園」。ままごとで遊ぶ2歳児に、今月から働き始めた保育士・三浦みずきさん(22)が「何を作るの?」と話しかける。

 福島県出身の三浦さんは先月、仙台市の大学を卒業したばかり。就職活動では地元も考えたが、非常勤の求人が多く、希望の保育所が見つからない。そんな中、都内の人材教育・就職支援会社が昨年5月に仙台市で開いた就職説明会に行くと、首都圏で保育所を運営する五つの社会福祉法人が求人のため参加していた。

 その一つが、扇こころ保育園を運営する「東京児童協会」(江東区)。「保育方針に共鳴できた。実際に見学し、東京に来る不安も消えた」と三浦さん。同園は今春、三浦さんを含む新卒の保育士5人を採用したが、すべて東北地方の出身。菊地政隆園長は「首都圏は保育所新設ラッシュで新卒学生を確保するのが難しいから、東北の優秀な学生をターゲットにした」。

 仙台市で説明会を開いた「スキップス」(千代田区)の担当者は「東北は常勤の求人が少なく、首都圏は人手不足。意欲ある地方の学生と人材を求める都会の保育所の橋渡しが狙い」と語る。8月には、東北の学生向けに首都圏の保育所を巡るバスツアーも計画する。

 ◆待機児童4万6000人◆

 待機児童は共働き家庭の増加などを背景に増え続けており、厚生労働省によると、昨年10月時点で約4万6000人と近年で最多になった。国は保育所整備などのため、各都道府県に待機児童数などに応じて交付金を配分する「安心こども基金」を2009年に創設。保育所整備に使えるのは10年度までとされ、自治体の多くは09、10年度の2か年で増園を計画している。

 都によると、09年度に都内では認可保育所が33か所増え、10年度も50か所が整備される予定。世田谷区で4月に分園を開いた社会福祉法人では、新卒3人を含む10人を採用したが、園長は「新卒者は引く手あまたで、来てもらうのが大変。経験者の応募もあるが、条件が合う人は少ない」と話す。保育士がそろったのは開園直前の3月だった。

 横浜市の担当者も「人気のある市立の認可園でもなかなか集まらない」と話す。

 このため、同基金を使って、「潜在保育士」の復帰を支援する研修・相談会も各地で開かれている。都は世田谷区や八王子市などと共催で09年度に4回開き、今年度も計画している。

 白梅学園大の汐見稔幸学長(教育学)は「休日や夜も子供を預かる保育所が増えたことや、親の要求レベルが上がったことで、保育士の働く環境は厳しくなっている。労働環境を整備しなければ、保育士不足を根本的に解決することはできないだろう」と話している。(小泉朋子)

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